こちらにきた日本人がまず慣れなければいけないのは、疑いようもなく「チップ」である。これがまたなんともややこしい。合計金額の10-15%をチップとして渡すだけなのだが、これが実は想像以上に複雑である。
まず、合計金額とは、課税前の合計を意味する。ので、課税済みの金額に10-15%を足すと、少し多めに支払ってしまうことを意味する。加えて、払い方も様々である。大目に払って、おつりをもらい、チップ相当額をテーブルに残す払方。チップを含めてちょうどの金額を払い、「Keep Change」といって、おつりを受け取らない払い方。もしくは、「これ~ドルにしてくれる?」と言ってチップ込みの金額を指定する払い方。バーでは一杯ごとに1ドル程度大目に渡す。
また、クレジットカードで支払うときには、自動でチップが加算されるとき、自分でレシートに書き込むとき、機械に入力するとき、チップを別でコインで渡すとき、等々。めんどくさすぎるので、私はクレジットカードでは払わないが。
ので着た当初は恐ろしくてレストランなどに行けなかったが、最近いい加減なれてきた。しかしそれにしても、なんでこんなややこしいことをするねんと憤慨していたが、その理由がまた最近になって見えてきてもいる。
まず、レストランの従業員などは、最低賃金以下で働いている。というのは、チップをいれて、やっと最低賃金に届くように賃金が設定されているからだ。ので彼らにすると、チップはご褒美ではなく、「もらわんとやってられへん」ものなのである。またこれは、あるいみインセンティブ制度といえよう。固定賃金でなく、従業員の働き振りがある程度賃金の一部に直接反映されているとはいえないか。
加えて、これは税金対策でもあるらしい。売り上げの課税は、チップを入れない金額を対象としているので、店側は、チップ制度をもつことで、少ない額の税金ですむことになる。うーむ、賢いんだか何なのか。
なんにせよめんどくさいことには変わりない。あと、いいサービスがいわゆる常識である日本のレストランには必要のない制度である。税金対策に追われる雇用主たちが、血迷ってチップ制度を日本に導入しないことを祈る。
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